2002年から発行してきた「区政レポート」が100号を迎え「わくわくレポート」と改題しました。これからも応援をよろしくお願いします!
春がやってきました! 新年度を迎え、学校や職場のさまざまな変化にあわただしく過ごしておられる方も多いのではないでしょうか。
さて、3月に閉会した杉並区議会では、2008年度の予算が審議されました。一般会計は過去最大規模(1546億円)、公共施設建設の計画が目白押し。他方、福祉はますます縮小され、しかも役所の仕事を企業に明け渡す民間委託が一段と進められていきます。
●介護認定厳しく、訪問介護も利用制限
2006年、介護保険制度が改正になり、ヘルパーさんの利用などが厳しく制限されるようになりました。「特に杉並区は利用制限が厳しい」とは他区の介護事業者の評判です。そのため、利用額が大幅に減っています(グラフ)。杉並区では介護認定も厳しいといわれます。それなのに保険料は逆にぐっと上がりました。
●杉並育ちの「配食サービス」をばっさり削減
杉並区独自の制度である「配食サービス」(一人暮らしの高齢者に食事を届け安否確認を行う)は今年度予算で突然3割削減され、事業者の中に動揺が広がりました。「配食サービス」は、杉並区の女性たちが、自らの介護の苦労の中から手作りで育て上げてきた杉並育ちのサービスなのに。
また「移送サービス」(身体が不自由な方の病院などへの送迎を行う)では、営利企業との競争でやっていけなくなったNPOが撤退しました。結局は競争力のある営利企業だけが生き残ることになります。区はことあるごとに「NPOなどとの協働」を強調しますが、ボランティアから育った良心的なNPO、事業者を犠牲にして、わずかばかりの予算を削っている実際を見ると「協働」はまやかしにすぎません。
●「平等を追求すると不幸になる」!?
他区では高齢者福祉のために独自予算をつける例が出てきているのに、杉並区ではなぜ逆に予算を削ってしまうのか。「人は生まれたときから能力や環境が異なっている。それは神様が決めたこと。むりやり平等にすれば間違いがおきる」(予算委員会での答弁)という山田区長の考え方が根底にあります。
「行政の役割は最低限のセーフティーネット。それ以上は余計なお世話、自分でやればいい」という区長。とにかく福祉がキライらしく、しかも「これは私の信念」と開き直り。このような区長のもとでは高齢者はもちろん、私たち区民は救われません。
高齢者福祉だけでなく、児童福祉も問題。保育園も学童も希望者があふれている状態。この事態は何年も前から予測できていたのに、手をこまぬいていた結果です。
●小売店が激減、区は打つ手なし
商店街の衰退が言われて久しくなりますが、この数年、特に小規模店が急激に減っています(表)。象徴的なのはJR阿佐谷駅正面にできる大型マンション。銀行の跡地という一等地にありながら1階にも一切店舗を入れないことが問題になっています。区は法的に問題ないと静観していますが、まちづくりの観点からも取り組みが求められます。
杉並区のアンケートでは「大規模店舗の出店で大いに影響がある」とする小売店が44.4%。大型店規制も課題です。「アニメ産業」にはなぜか力の入る杉並区ですが、ずっと比重が重く重要な産業である商業の振興には無策。
●「後期高齢者医療制度」は「姥捨て山」
4月から始まった「後期高齢者医療制度」。だいたい「後期高齢者」なんて失礼!ですが、中身はもっと問題。
まず75歳以上の人だけの健康保険制度自体、世界的に例がない、いわば「姥捨て山」。また、
●75歳になると強制的に「後 期高齢者」制度に加入
●これまで扶養家族だった人も保険料支払いへ
●保険料は原則年金から天引き (年金の手取りが減る)
などの問題に加え、都道府県単位で決まる保険料は医療費をたくさん使うほど上がっていく仕組みです。これから高齢化がますます進み、当然この保険の加入者と医療費は増えていきます。保険料がどんどん上がっていくことになるでしょう。
また、高齢者の医療費を抑制するために、定額払い制度(1つの病気に関して決まった額までしか保険が利用できない)などの導入も検討されており、要注意です。
●まるでバブルな発想の「減税自治体構想」
杉並区長選の公約であった「減税自治体」構想。一般会計の中から毎年1割(約150億円)を積み立てて、その利子で区財政すべてを賄うという、まるでバブル期のような構想です。「減税」といわれると「いいことかな」と思うのですが、それは70年後の話。そんな余裕があるならいま減税をするのが筋です。
福祉や教育にかけるお金をどんどん削って、そのお金を運用にまわすなど筋違いもいいところです。2%で100年運用するというけれども、現在の区の運用実績は約0.5%。さらに金利や物価の変動なども予想され、「無税化」できる保障はどこにもありません。(この問題については2月4日テレビ東京の特集で松尾ゆりの発言がオンエアされました。)
今年度一般会計は過去最大規模ですが、その理由は、おもに高齢者をターゲットとした増税の影響、それから、東京など一部の都市だけが恩恵を受けている「好況」の結果です。しかし「好況」だったのは昨年前半までの話。サブプライムローン問題や原油・原材料高により、すでに経済は縮小傾向にはいっています。
そもそも大多数の区民は「戦後最長の景気回復」などとは全く無縁。それどころか区民生活は悪化し、生活保護率はこの10年で2倍、小中学校の「就学援助」(経済的に困難な家庭に給食代や教材費を援助する制度)も2割以上に達しています。
私たちが払った貴重な税金を、区民の生活と営業を守るために使おうとしない山田区政。区民生活の改善のためには、区政の転換を図っていく以外にありません。
