【投稿】和田中夜間塾「夜スペ」問題(22)
和田中夜間塾問題杉並区立和田中学校で実施されている大手進学塾サピックスの夜間塾「夜スペ」に対して、いろいろな方からの意見が当ホームページに届いています。この問題を考える上で極めて大切な情報だと思いますので、ご紹介させて頂きます。
(挨拶に当たる部分は省略します)

私は、和田中の「改革」は、保護者のニーズ、杉並区の事情、塾の戦略がかみ合ったものだと見ています。
ニーズ1:保護者の「良い学校」へ行かせたい気持ち
ニーズ2:そのための金は払いたくない|払えない事情
ニーズ3:塾の新たな市場開拓
ニーズ4:公務員である先生が残業できないという事情
ニーズ5:財政難の杉並区
ニーズ6:小中学校統廃合をスムーズに進めたい杉並区

まず保護者。
子供がより勉強するようになり、「良い」学校へ入って親子ともども満足します。しかも評判の塾授業が半額という。表面的には良いことだらけです。

次、杉並区。
学力向上へコストをかけずに済みます。この枠組みの中では、少人数や習熟度別または補習授業のために先生を増やさなくても良いのではないでしょうか。今は和田中だけですが、これが分区ごとに1校ずつできようもんなら、その学校へ生徒が集中してしまうことでしょう。そうすると統廃合も自然とできます。なんだか、とても杉並区に都合が良く事が運んでいるように感じます。

そして、塾。
最も得をしています。あおればあおるほど親は財布を緩めます。少子化のため、塾は子供を集めるのに必死ですが、和田中で授業をやらせてもらえば「そこに客がいる」状態なわけです。塾にとって和田中は、塾が費用を出して難関校を受けさせるのと似ています。ものすごい宣伝になっていると思います。もし和田中の塾が廃止になっても、その子供たちをSAPIXへ誘えばいい。企業としてはうまみ最大です。なんだかおいしい話ばかりで、かえっておかしいと思うのです。

長年企業で仕事をした身として、この状況は技術の空洞化に見えます。教師がやるべき授業を塾に外注化しているようです。企業でこれをやるとコスト削減になり、品質が上がる場合がありますが、若手が育たず、中堅は不要になり、管理する人間だけが残ります。

公教育で、利益を追求する一般企業と同じことをしていいのか。モルモットになるのは生身の生徒です。それが私の危惧です。