「住基ネット」山田区長コラムに訂正申し入れ

広報すぎなみ

「広報すぎなみ」8月1日付けの山田区長コラムについて、訂正の申し入れをしました。8月1日に提出した申し入れの全文を紹介します。

広報すぎなみ8月1日付区長コラム訂正についての申し入れ

杉並わくわく会議 区議会議員 松尾ゆり


8月1日付「広報すぎなみ」の区長コラム「最高裁の決定を受けて」に関して、事実誤認をまねく表現がありますので、下記のとおり訂正を求めます。

         記

(1)「『全員参加』を求める高裁判決が確定」との表現について

そもそもこの訴訟は杉並区が「選択制による接続(横浜方式)」を求めたものであり、昨年11月の高裁判決はこれを却下したものでした。したがって、敗訴すなわち接続を命じるものでないことは、区議会の審議の中でも明らかにされたところであります。

今次最高裁判決は、この高裁判決を認めたものであり、接続命令でないことは同様であります。

しかるに、区長コラムを読むと、高裁、最高裁が全員参加を求めたようにとれます。区民に誤解を与える表現であり、訂正が必要です。

したがって→「『全員参加』を求める」の部分を削除訂正し、次号以降広報に訂正記事を掲載するよう求めます。


(2)接続は区長の決断によるものであることについて

本コラムを読むと(1)の誤記によるミスリードで、まるで裁判所に命じられたために仕方なく接続をするように読めます。しかし、(1)に明らかなように、敗訴とはいうものの、裁判所は接続を命じていません。杉並区は、これまでどおり不参加を継続することも可能です。にもかかわらずあえて参加を決断したのは、区長であり、区はこれまでの住基ネット不参加から参加に転換するわけですから、誰のせいでもなく(まして裁判所のせいではなく)区長自らの責任において決断したのであることを明確にのべるべきです。

したがって→(1)と同様に訂正記事を掲載するよう求めます。


以上2項について、つきすみやかな対処と文書による回答を求めます。


最高裁からの決定を受けて
杉並区長 山田宏
(2008年8月1日付 杉並区広報)

 7月8日に最高裁は、住基ネットへの「段階的参加方式(横浜方式)」を求める杉並区の請求を、実質的な審査もなく「門前払い」という決定を下しました。このことにより「住基ネットに不安な住民は当面不参加も許されるべき」との区の主張は退けられ、「全員参加」を求める高裁判決が確定するという大変残念な結果となってしまい、心よりお詫び申し上げます。

 私は平成12年の区議会において「住基ネットへの危惧」を表明、13年には区民の個人情報保護のために全国初の「住基プライバシー条例」を制定、そして14年の稼働時には個人情報保護法制の未整備を理由に住基ネットに不参加、翌年国が横浜市に認めた「段階的参加方式」による参加を杉並区にも適用するよう求めたが認められず、16年に東京地裁に提訴し司法判断を仰ぐことにしました。このように私は全国に先駆け、一貫して「国民強制参加の住基ネットは、健全で有効なIT社会につながらない」という信念のもと、全区民の安全安心のため、日本の将来のため、自治体の長として主張すべきは堂々と主張してきました。

 今回の最高裁の判断は、住民基本台帳事務という自治体固有の事務に関して、独自に住民の安全安心を確保しようとする自治体の裁量権を認めない点で、時代錯誤の不当な判断であり、私としても全く承服できるものでありませんが、司法の最終判断が下った以上、行政官としては当然判決には従っていかなければならないと考えます。

 ただ司法の判断があったからといって、「利用の選択権があってこそIT社会は健全なものになる」という私の政治家としての信念は変わりません。これからは法の改正を求めつつも、区長として区民の安全安心を確保していくため、法の範囲内でできうる方策を追求していきたいと思います。