杉並区議会で一般質問に立ちました
松尾ゆりの杉並区議会報告2009年9月15日、松尾ゆりは杉並区議会一般質問に立ち、山田区長の政治姿勢、図書館の指定管理、区立幼稚園の廃止問題や教科書問題について質問しました。質問原稿を紹介します。これは発言原稿で議事録とは細かな点では違いがあることをご了承下さい

●民主党政権と山田区長の政治姿勢について

 杉並わくわく会議、松尾ゆりです。区政一般に対して質問をいたします。

 先の総選挙は、ご承知のように民主党の圧倒的勝利と自民党、公明党の歴史的大敗に終りました。あす16日には、国会で首班指名が行われ、民主党鳩山政権が誕生します。
 そこでまず第一に区長の政治姿勢についてうがいます。

 総選挙の公示日、区長は自民党候補の出陣式に庁舎敷地を提供して、自らも応援演説を行いました。その演説の中で、区長は民主党を批判し、同党の集会における日の丸の扱いに言及して、「民主党が政権をとったら大変なことになる」とのべたそうですが、民主党政権の成立については、どのように評価していますか。また、民主党政府の政策に対し、今後の区政運営に当たって、どのように対応していくか、考えをのべてください。
 民主党政権成立に関連して、もう1点うかがいます。

 次期首相の鳩山氏が書いた文章が雑誌「voice」の9月号に掲載され、中でも日米関係への言及が注目されています。第1回定例会での私の質問への答弁によれば、区長は日米同盟を強化する立場であるとのことです。そこで、うかがいますが、区長は、このいわゆる「鳩山論文」についてどのように評価しているか、また、今後の区長自身の政治活動の中では、どのように対応していくつもりでしょうか。

●山田区長の任期に合わせて? 粗雑な政策が次々

 前回の定例会で私は区長の「日本よい国構想研究会」について質問しましたが、10月にはそこからいよいよ新しい政治団体が発足するとのことです。

 中田横浜市長の辞任はこの政治団体に専念するためとも伝えられますが、山田区長も同志として、はやくこの活動に専念なさったほうがいいのではないかと思います。

 仮に中田さんのように潔く辞職しないとしても、区長の任期はのこり1年半となり、本来「総仕上げ」をすべき時期です。ところが、そういう時期にしてはあまりに粗雑な政策が、まるで区長の任期という締め切りに合わせるかのように、急いで、しかも次々と打ち出されています。

 減税自治体構想はその最たるものですが、これに関しては他の機会にゆずり、今日は、区長からの「苦い置きみやげ」となりかねない3つの問題についてこれから質問します。

●地域図書館をすべて指定管理者にゆだねる方針

 最初に、区立図書館のうち中央館を除く12館を2年間ですべて指定管理にゆだねていくという方針についてです。この方針は6月の教育委員会、文教委員会に突然発表され、日々図書館を利用し、図書館を愛する多くの区民に大きな衝撃を与えました。いくつもの区民団体が、驚きとともに、次々に抗議の声を区に対して届けました。

 指定管理者が図書館を運営することの問題点は、すでに他の議員からも指摘のあったところですが、国会でも文科大臣が「図書館に指定管理はなじまない」との答弁を行い、全国的にも図書館の指定管理者制度はあまり広まっていません。

●人件費で節約しても、それを上まわる委託費の伸び

 一方、杉並区は山田区長の10年間に職員を1000人削減して、その行革効果で借金をほぼゼロにしたと、ことあるごとに自慢します。経費節減のためには職員の削減が最も効果的なのだと。今回の図書館の指定管理もその延長上にあります。

 確かに、先般いただいた区政経営報告書には、10年間で人件費関係の出費が31億減ったと書いてあります。ところがよくよく数字を見ると、他方で委託費が10年間になんと51億増えていました。つまり職員を削減した分よりもっと、実は余計な出費がかかってしまったのです。

 それは当たり前のことであって、これまでにも私が指摘してきたように、民間企業は利益を出すことが使命なので、同じサービスを提供しようとすれば、利益分が余分にかかることは当然です。公務員だからお金がかかるだろうというのは思いこみ、偏見にすぎません。

 それでは何のために民営化するのかといえば、公共サービスを民間企業の利益に供するためでしかありません。つまり民営化には経費削減という公共性すらもなく、進めることに大義はありません。にも関わらず、今回の区の方針が決定されました。

●図書館経営評価で官民の比較はできない

 その根拠として、昨年度の図書館経営評価が持ち出されています。そこでこの項目の最初に、図書館経営評価についてうかがいます。まず、経営評価の目的は何でしょうか。また、報告書には経営評価に対し区民・利用者の代表である図書館協議会がまとめた「意見・提言」が掲載されています。その内容はどのようなものであったかについても、うかがいます。

 今回の経営評価は、区として初めて行うものであり、評価のしかたもまだ不十分であり改良の必要があります。このことは区も経営評価報告書や文教委員会の答弁の中で認めていることです。この点もあらためて認識をうかがいます。

 そもそも、この経営評価は自己評価が前提で客観的とはいえず、館どうしの比較などできないことは言うまでもありません。協議会では、「経営評価は各館の改善のためと思っていたのに、指定管理の判断根拠とされ、その説明もなかった。もしそういう前提なら評価のしかたも変わっていた」と抗議の声が出ました。

 しかも、委託・指定館の自己評価のBを全館もれなく中央館がAにつけかえ、結果として、委託・指定館は全館オールAという結果がでています。民営館の成績がよくなるように操作されたのです。

 このような経営評価では、指定管理者導入を進める根拠にはなりえないと考えますがいかがでしょうか。

●図書館協議会を無視して方針決定

 この項の2番目に図書館協議会についてうかがいます。

 杉並区はかつて、司書率を高め、図書館事業を充実させて、「図書館のまち」といわれた時代もありました。区民による活発な家庭文庫活動ともあいまって、進んだ図書館行政を行ってきたのが、杉並区でした。その誇るべき遺産のひとつが図書館協議会です。
 そこでお尋ねしますが、そもそも図書館協議会は全国にどれくらい設置されているでしょうか。また、23区内ではどうでしょうか。また、杉並区の図書館協議会の特長、よいところや、改善してきた点はどういったところでしょうか。

 これまで、協議会の審議の中で、会長も含む委員からくりかえし、指定管理は慎重に進めるべきと指摘され、それが協議会のコンセンサスととらえられてきました。杉並区は協議会を設置し、その運営を強化、発展させるためにこれまでは心を配ってきたように思います。それなら、協議会のこの意見を尊重すべきではありませんか。見解を伺います。

 5月30日に開かれた、今年度第1回の図書館協議会では、全館指定管理の方針は全く伏せられ、直後の6月10日の教育委員会に初めて報告されたことは、区民・利用者の代表たる協議会に対する背信行為といわなくてはなりません。

 7月の協議会に報告したといいますが、本来は9月末に報告の予定であり、7月の臨時会は、協議会側から強く要請されたため渋々開いたにすぎません。放っておけば、事業者募集も終わろうかというころやっと、協議会に知らせることになったでしょう。

●見切り発車で事業者募集
 
 7月25日の協議会を傍聴しましたが、「全館指定管理の方針はいままで一切説明されていない」「いきなり全館とは。これまで協議会のやってきたことは何だったのか」と強い不信感を表明する意見が相次ぎ、会長がこの方針について「時期尚早と思われるが、協議会としては時間をとって考えたい」と締めくくり、結論を出さずに次回の9月26日に続開となっています。

 ところが、去る9月4日から指定管理者を選ぶための事業者の募集が始められました。協議会では結論が出ず続開となっているにも関わらず、また、一方では区職員労働組合との労使合意もまだ成立していない現段階で、見切り発車的に事業者募集を開始したことは、区民も職員もないがしろにした、信義にもとる行為です。区の弁明をうかがいます。

●中央図書館は直営でいくのか

 この項の3番目に中央図書館についてうかがいます。

 まず、一番大きな懸念は、中央館の指定管理の可能性です。今回の方針では中央館は直営・一部業務委託のままとされました。中央館を直営とすることは当然だと思いますが、指定管理の導入は今後とも行わないということでよろしいか、あるいは導入の可能性があるのでしょうか。お答えください。

 次に、中央館は機能強化が求められています。そのためには人材の確保が最も重要です。区にはかつて図書館で活躍していて、今は別の部署に異動している職員がたくさんいらっしゃるとききます。こうした人材の活用も含め、お考えをうかがいます。

 また、仮に指定館を増やしていくとすれば、各館に区の職員がいなくなるので、中央館からのコントロールを強める必要があります。その場合は、中央館の職員を増員するのかどうか、お答えください。

●中央図書館に学校支援係を

 次に学校支援についてうかがいます。今年度、区立小中学校11校に学校司書が配置され、先日からいよいよ活動が始まりました。学校司書の方々は、意欲的に活動を進めておられ、大変期待されます。ところが、中央図書館にあった「学校支援係」が、今年度なくなってしまいました。済美教育センターには新しく学校司書支援担当が立ち上がったものの、実際に本を提供する実務を行う公共図書館側に係がなくなってしまったのは、なぜでしょうか。

 今後、残りの55校にも順次司書が配置されるであろうことにも鑑み、中央図書館の学校支援係を復活させるべきと考えますが、いかがでしょうか。

 さて、縷々述べてまいりましたが、公立図書館行政は、区の重要な責務です。区はまず、図書館行政の長期的ビジョンを確立し、それに対して適切な運営主体を決定すべきなのであり、今、区がやろうとしていることは、民営化ありきだけで肝心の中身がありません。

 そこでうかがいますが、杉並区立図書館の将来像において、どういった観点、理念が重要でしょうか。また、その際にどのような事業を重視していくことが必要でしょうか。

●全館指定管理はいったん凍結、再検討を

 この項の最後に今後についてうかがいます。まず、区民への周知と意見募集についてです。

 住民サービスの中でも特に公共性、中立性を求められる図書館サービスを民間に明け渡すという、きわめて重大な問題にもかかわらず、このことが区民に全く知られていません。

 私は市民団体の皆さんの署名活動に参加しましたが、「区の図書館が全館民営化されます」というと「えっ!」と絶句する人が何人もいます。すでに知っているという人は全くいませんでした。

 区民に対して広報などでこの方針を周知し、議会に提案する前にパブリックコメントに準ずる手続きをとって区民の意見を求める必要があると思いますが、いかがでしょうか。伺います。

 さらに、現在区議会にも区民から陳情が提出されていますが、この要望のように、地域図書館全館指定管理の方針はいったん凍結し、図書館協議会、区民、議会も含めて、十分再検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 
●区立幼稚園の改革方針について

 次に区立幼稚園の改革方針についてうかがいます。

 この問題も、先の図書館問題と同じく、突然方針が出され、来年から即実施とされています。どうしても山田区長在職中に無理矢理実施しようとしていることも、当事者にとっては寝耳に水ということも同じです。

 私は8月25日に行われた幼稚園2箇所の説明会に参加しましたが、そこできいた限りでは、ほとんどの方は区の方針に反対の意見でした。どうしてこれまでの区立幼稚園をなくしてしまうのか、これまでの幼稚園がいかにすばらしかったか、と涙ぐんで訴えるお母さんもいました。

 そこで、最初にパブリックコメントの結果について、うかがいます。
 提出された意見の数、そのうち保護者などの内訳はどうか、また、意見の主な内容はどういったものか。反対・賛成の別を含めて、お答えください。

●入園予定の保護者に動揺、定員を増やして

 最も深刻なのは、これから区立幼稚園に入園する予定だった保護者の方たちです。未就園児の保護者の方々は、大変動揺しておられます。保護者には何の落ち度もなく、全く区の責任です。このことに対する反省の弁をおききしたいと思います。

 また、入園希望の保護者が安心できるだけの幼稚園の定員を保障する考えはありませんか。お伺いします。

 この時期の方針公表は遅すぎて、来年度入園に間に合わないという保護者の批判に、いったいどう応えていくのか、考えをお示しください。

 先日、突然の区長記者会見で発表された待機児解消策の中には、「区立幼稚園の活用」として、今後区立幼稚園が受け入れる長時間保育の子どもの人数が示されています。その数字を見ますと、当初の説明と異なり、来年度の2園にかぎっては、4歳児はこれまでどおりの募集、3歳児のみ長時間の子を募集するように受け取れますが、変更があったのでしょうか。

●長時間保育の保育士は常勤?非常勤?

 もうひとつ心配なのは、職員配置です。幼稚園教諭と保育士の両方を配置するということですが、詳細は発表されていません。区独自の「子供園」は国の認定こども園の基準を満たす必要がないので、専門職がきちんと配置される裏づけがありません。特に、これから新しく配置される保育士については、果たして常勤者が配置されるのでしょうか。非常勤あるいは派遣の保育士ということもありうるのでしょうか。答弁を求めます。

 また、園全体が民営化されるのではないかということも心配です。他の議員への答弁では直営で行うとの答弁でしたが、将来も含めて大丈夫なのでしょうか。確認を求めます。

●杉並区立幼稚園の評判は高い

 次に、最も大切な、幼児教育の内容についていくつかうかがいます。まず、これまでの区立幼稚園の教育内容に対する保護者の評価はどうでしょうか。お答えください。

 説明会では多くの保護者が「区立幼稚園の内容がすばらしいから選んだ」と発言していました。なかには「この幼稚園の評判をきいて、わざわざ近くに家を買い、杉並に引っ越してきた」という方もいました。それほど杉並区立幼稚園の評判は高いのです。

 しかし、杉並区はこれまでの幼稚園の成果を評価したり検証することもなく、「区独自の育成プログラムを作る」「まったく新しい幼保一元施設」と繰り返すばかりです。その内容を尋ねると「これから検討します」と全く白紙です。保育の数合わせのために幼稚園が犠牲にされるのか、という保護者の不信感に対し、答えることができません。

 そこでお聞きしますが、「杉並区独自の育成プログラム」とは何でしょうか。どのような理念にもとづき、これまでの区立幼稚園の教育とはどこが変わるのでしょう。あわせてプログラムを検討するメンバー、スケジュールについてもお示しください。
 
●幼稚園と保育園の違い

 そもそも、杉並区は簡単に幼保一元化などといいますが、これは大変なことです。山田区長はじめ区の幹部の皆さんは、文科省と厚労省の縦割り行政の弊害だとか二重行政などといってわかったような顔をしていますが、現場はそんな簡単なものではありません。

 区立幼稚園の保護者の方々から、「今の幼稚園の活動は、働いているお母さんにはムリだと思う」という意見を聞きました。

 区立幼稚園では、親子で行う活動や行事が多いということです。それも、運動会や遠足など特定の日だけならともかく、登園時にお母さんといっしょに種まきをしましょう、というように、幼稚園の日々の生活の中に、親のかかわりが自然に溶け込んでいるのです。時間に追われる働く親にはとても無理で、今後、長時間保育の子が入ってきた場合、これまでの幼稚園のすぐれた教育は失われることになります。

 一方、長時間保育を望む親から見れば、コアタイムは幼稚園で、のこりの時間は保育園というようなつぎはぎの施設では、不安で預けることができません。保育園とはどうしても違ってきます。

 幼保どちらから見ても、全く中途半端なプランです。

 そこでお聞きしたいのは、区内の私立幼稚園、保育園の先生方のご意見はどうなのかということです。説明は行ったのか、また、そこで出た意見はどのようなものだったかをお伺いします。

●先行する「認定こども園」の経験に学ぶ

 とくに、杉並区内には2つの「認定こども園」がすでにあり、幼保一元化の困難さを実際に体験されています。先行するこれらの園のご意見は聞いたのでしょうか。

 私は先日、区内の認定こども園に見学にうかがいました。その園では、国の制度ができる前から無認可として幼保の一元化を行い、大変ご苦労されてきたとのことでした。

 最も印象的だったのは、「幼稚園のやりかたが、働いている親には通用しない」ということでした。たとえば、以前は、明日工作でこれこれを使うからもってきて、とお迎えのときに伝えればOKだったが、働いているお母さんには、急に言われても買いに行く時間がない、といわれてしまったとのことで、そこで園は少し余裕を持って計画的に活動を行うように改善したそうです。一方、長時間保育の保護者の側にも、保育園とは違うということをしっかり納得してもらうとのことでした。

 さらに、コアタイムと朝夕の時間帯の連続性にも気をつかい、担当者同士の連絡をきめこまかくしたり、また、長時間の子とコアタイムの子の友達関係にも気を使うなど、何年もかけて、やっと最近、円滑に運営できるようになってきたとのことでした。

 ことほど左様に、細かい所で、幼稚園と保育園は全く違い、その違いをなくして、うまく融合していくことが幼保一元化です。今の杉並区に、これだけの労力を割いて、子どもたちのためにつくすだけの人的余裕、設備的余裕、そして覚悟が、果たしてあるのでしょうか。

●時間をかけてしっかり検討を

 杉並区の「独自の育成プログラム」を作るのなら、いまのべたような経験をお持ちの、区内認定こども園や私立幼稚園の関係者、また区立幼稚園のPTA、さらには幼児教育の専門家を交えて、時間をかけて、真剣に取り組み、練り上げるべきではないでしょうか。見解をうかがいます。

 そのためには、あまりにも時間がなさすぎます。来年度実施は見送り、時間をかけてしっかりと検討するべきだと思いますが、いかがでしょうか。

 それができないのなら、今の区立幼稚園のすぐれた教育内容をそのまま残すため、今回の計画はいったん中止していただきたいと思います。

●教科書採択について

 最後に、教科書採択についてうかがいます。

 4年前につづき、杉並区が扶桑社版「つくる会」歴史教科書を採択したことは、区民大多数の意思に反し、区長の政治主張のおしつけでしかありません。杉並区の良識を疑われるような全く恥ずかしい結果です。この採択結果に強く抗議し、撤回を要求するものです。

●杉並区教育委員会の品位を汚した審議

 今回の扶桑社ありきの採択手つづきの中でも、きわだって醜態をさらしたのは、大蔵委員長でした。進行役として秩序だった議事進行をすべき委員長自らが、他の委員の発言をさえぎって発言し、大声で自分の意見を言い立てるという態度は、その内容以前に、委員長として、というか、人としてあるまじきことであって、杉並区教育委員会の品位を汚したものです。委員長としては全く不適格であり、自ら、委員長職を退くべきであると考えますが、ご本人のお考えをうかがいます。

 また、大蔵氏は、日本教育再生機構との関係が問題になっています。先の第二回定例会で私自身がこの問題について質問した直後に、確認のため再生機構に電話で問い合わせたところ、機構側は、「代表委員に入っていたが、教科書改善の会発足時に、本人から名前をはずしてほしいとの連絡があった」と答えました。第二回定例会での「役員ではない」との答弁は虚偽ではないのでしょうか。

 先の第二回定例会において、大蔵氏は、再生機構の会合へ行って話をしたが、それは役員としてではなく、本業は文筆家なので、講演料を払ってくださるということならいろんなところに発言しにいく、という説明をしています。それが本当なら、再生機構で講演した際には、報酬は受け取ったのか、それはいくらであったのかお答えください。金銭を受け取っているのであれば、より密接な関係といえます。

 特定の教科書出版社と密接な関係にある人物がその場を取り仕切ったような会議はとうてい公正な採択審議とはいえず、採択は無効ではないでしょうか。うかがいます。

●区民や教員の意見は無視された

 次に、区民意見、学校調査について伺います。
 教科書展示会での区民意見募集では、「つくる会」歴史教科書に反対が199対賛成が11、公民にいたっては反対53に対し賛成がゼロ、また、教員による学校調査でも、23校中18校が反対意見と、4年前の前回採択時以上に、区民、学校現場の声は圧倒的に「つくる会教科書をやめてほしい」というものでした。

 そこでお聞きしますが、そもそも区民意見の募集、学校調査報告書の作成は何の目的で行っているのでしょうか。また、区民意見、学校調査が反対している教科書がなぜ採択されたのでしょうか。区民、教員の意見とは明確に正反対の結果を教育委員会は出しています。

 なかでも、審議の冒頭で教育長が、今回の教科書は2年間であるし継続が望ましいと発言して採択作業そのものを否定したことは、区民、教員が懸命に区に届けたこれらの意見を無視し、愚弄するものです。このようなことが許されるのでしょうか。

 こうした経過を振り返るとき、この採択は撤回をし、再度、区民や教員の意見を真に尊重した審議のうえで、採択をやり直すことを求めるものです。教育長の答弁を求めます。

●図書館も幼稚園も、区民が築いてきた知的資産

 具体的な施策について3点たずねました。

 いずれも、私たち杉並区民の文化に深く関わる問題です。文化とは、だれか特別な才能を持つ人が、華々しく活躍することではなく、むしろ、地域の日常生活の中に、普通の市民が、どれだけ豊かな知的資産を持っているかということにこそ、依拠するのではないでしょうか。

 地域の知的資産とは、幼い子どもたちの情操を育む幼稚園であり、小中学校の日々の授業であり、学生や社会人やあらゆる年代の人たちが世界中の知的資産にアクセスできる図書館であり、生涯教育であり、これら区民が共有の財産として持っているもの、つまりは杉並区民と行政がともに営々と築いてきた、目に見えない財産、公共財としての文化です。

 しかし、これらはその価値を認めない山田区長によって危機に瀕しています。

行革の数字ばかりを追い求め、私たちの文化を認めない山田区政に抗して、図書館や幼稚園を守ろうという区民の皆さんの闘いそのものこそが、杉並の市民の伝えていくべき伝統だと思います。

 私は郷土杉並に誇りと愛着をもつ一人の区民として、また区議会議員として、区民の皆様とともに今後とも奮闘していくことを最後にお約束して質問を終わります。