1.減税自治体構想(減税基金条例)の集中審議
2月28日は日曜日にもかかわらず、減税自治体構想を集中審議するために委員会が開かれました。
(ちなみに、土曜議会は何度か開かれてきましたが、日曜日の議会は初めて。議会の運営上重大な変更ですが、それにも関わらず、我々少数・一人会派には日程表がぴらっと配られただけで、事前の相談はナシ。)
朝10時から、大きい会派順に。私は後ろから2番目なので、5時。傍聴に来られた皆様は、さぞお疲れになったことと思います。私も疲れました。物理的にも精神的にも。いや、なんていうかほんとに空しい審議なんですよ。
与党の人たちは区長ヨイショ発言ばっかりで、とにかく「区長いかがですか?」と区長にしゃべらせる。区長のパフォーマンスのための審議になってしまった。私は昨年の全員協議会で「減税自治体だけの特別の審議はしないんですか?」などと発言してしまったことを後悔しました。
自民党議員は「山田区長就任前の10年とあとの10年ではどう違うか」とのべて「区債残高がこれだけ減った、基金がこれだけふえた。山田区長のリーダーシップで、それまでのバラまきをやめ、財政規律を立て直したからだ」とひたすら賞賛していました。(ちょっと待て! そのバラまきをやってたのはあんたじゃないか! 山田区長の前からずっと区長与党だったでしょ?)
もう、ばからしいので持ち時間の6分間全部反対演説しようかとも思ったのですが、朝からずーっと他の人の質疑をきいていたら、気になったことも出てきたので、質問しました。
その1:
(これは一般質問で質疑応答したことですが、他の人たちはわかっていないかもしれないと思い確認しました)
基金をためていって、その利子を減税にまわすと言っているが、10年後の利子はうまくいっても30億ぐらい。10%減税の60億には30億ほど足りない。それはどうするのか。
回答は、「積立金額を調整して、減税する」……わからないでしょ。
「それはつまり、積立金を減らすということですね」
そうなんです。利子だけではまかなえないから、積立金を減らしてその分で減税するんですよ。ということは、毎年150億積み立てるといっている、その積み立て分が減ることになるのです。
「しかし、元本は崩さないので、いずれ利子分だけで減税ができるようになります」というんだけど。
だーかーらー、それでちびちび積み立てていっても100%減税するのに630年かかるんだってば!
その2:
(こちらは本当にギモンに思ったので質問した)
今回提示されている基本方針は「一般会計の1割を積み立てることを目安としているが、公債費がある場合(借金を返したとき)、および、財政調整基金から取り崩したときは、公債費と取り崩し額の合計をひいたものを積立額とする」というものです。
たとえば、ある年に区債を80億返したとします。それと、歳入が不足して50億を財調基金(貯金)からとりくずしたとします。そしたら目標の150億円から計130億円をひいて、20億が積立額、という意味です。(財調基金とは「家計で言う普通預金みたいなもの」。つまり普通預金を取り崩しているのに積立するのはヘンだということ)
それで、私がふとギモンに思ったのは、「じゃあ、さらにお金を借りたとき(区債を発行)は引くのか?引かないのか?」でした。答弁はまず「区債は発行しないことを目標にしています」
「いやいや、仮に発行した場合ですよ」
「仮定のお話にはお答えできません」
(ここで、傍聴席から「減税自治体なんて、全部仮定の話じゃないか~!」と猛然たるヤジ)
「だって、さっき(の質疑で)建設債は発行ありうると言いましたよね」と言ったら、やっと、
「その場合は償還(借金の返済)時に費用がかかるので、その分を積立額から引きます」という答弁。
要するに、区は区債を発行した場合はどうするのかということを全く考えていなかったんです。区長が主張している「借金をしない(=区債を発行しない)」ということに縛られているので。
しかし、いま基金は急速に減り続けています。不況で税収は減るし。学校はいくつも建て直しているし、ほかにもいろいろ建てるものがあるんですよ。来年度予算では150億ぐらいとりくずすので、「山田区長のリーダーシップで500億円も貯金した!」と自慢していた基金も、あっという間に減っていく。このまま不況が続けば、山田区長の大嫌いな借金財政は目の前です。
それなのにね。その用意もなく、ただただ「減税基金をためる」ことしか考えてないわけだ、あの人たちは。(というか、「どーせ山田区長が辞めたら減税自治体なんてやめるんだから」が前提だから、考えていなかったのかな)
というわけで、あとは区役所とやりとりしながら、私の主張。構想批判。
といっても、すでに一般質問で言うべきことは言ったつもり。
それは、まず「こんな実現性のない、くだらないことをまじめに議題にした議会が悪い!」ということです。
もうひとつは、「減税自治体構想研究会」の御用学者たちが行ったシミュレーションの追試です。10年後に10%減税、20年後に15%減税をすると100%減税をするまでに630年かかる!
つまり全く現実的な検討がされてないということです。「レジ袋税」のときと同じ。形だけ作るけど実際にはやらない。山田区長があと1年なので、花道ってことです。
また、来年度予算では10億しか積み立てないので、いまの厳しい経済情勢では結局実行できないだろう。来年やめてしまう区長が提案して、区民におしつけるのは大変無責任だ。大要、このようなことでした。
(詳しくは、一般質問、区議会HP画像配信をごらんください)
この日、あと述べたことは要するに「朝からずうっと質疑を聞いてきたけど、あんたたちの言ってることは全部すりかえでしょ」「ひとつのウソをつくと、それを隠すために次々にウソをつくことになるという見本のようなもの」ということです。
(以下発言要旨)
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朝からずっと質疑をきいてきたが、この話はすりかえばかりだ。
1)まず政策の目標。区長は明確に減税といってきたが、「強固な財政のダム」「災害にそなえる」という話になっている。
2)減税規模も、住民税ゼロと言っていたのに、このごろは当面10年後に10%が目標になっている。
3)そもそもの発想の根拠となっている、家庭も企業も貯金をするのだからという論理も、全く性格のちがう自治体財政の問題を、家計・企業におきかえるすりかえである。
4)さらに一般会計の1割あるいは150億の積み立てという目標も、たとえば来年度は10億円の予定とか、実際には積み立てができないスキームにすりかえられている。
5)最後に責任のすりかえがある。
区長が自らの責任において制度を設立するものでありながら、将来の区長、区議会、区民の責任において判断するとの答弁は、現在における責任を将来の責任にすりかえるものである。
これらを今「すりかえ」と言ったが、1つのウソをつくと、次々にウソを重ねなくてはならない見本のようなものだと思う。
一般質問でも述べたように、私はこの構想じたいが検討に値しない、マンガみたいなものだと思っている。議会は本来このようなふざけた構想をとりあげるべきではない。区民が未曾有の経済的困難に直面している今日、このような能天気な課題で審議を行っている
こと自体が、区民に対して申し訳ない。
仮にこの議案が可決されたとしても、構想自体は遠からず破綻することは目に見えている。杉並区はこのような荒唐無稽な案をまじめに審議したこと自体を末代まで笑われることのないよう願う。
2.減税自治体構想に関連して(続き)
集中審議が終わり、通常の予算質疑が始まりました。減税自治体構想は終わりにしたつもりでしたが、ちょっとツッコミどころがのこったので、2つ質問しました。
(1)パブリックコメントについて
減税自治体構想についてパブリックコメントが実施されました。このことについて、集中審議で区側から「賛成のほうが反対より少し多かった」という発言がありました。
ところで、このパブコメの結果は杉並区HP全文(PDF)が公開されています。ひとりひとりが書いた意見がそのままのせられています(意見の中に「要約してのせるのではなく、全文公開することを要求する」というのがあった)。
全文公開ということは、同じような趣旨の意見でも別のものとして扱われているのです。それなのに!「同意見11通」とかいうのがある。
「同意見」って何?ときくと「全く同文だったもの」とのことでした。
「じゃ、それってコピー?」「それもありました。でも署名は全員別々です」そりゃそうでしょ。
「同意見11通」「10通」「10通」「1通」がありました。11通、10通なんていうのは全く組織的に送られたものとしか思えません。(それにしても、ご自分の意見を書かれてはいかがかと思いますね)
これらをどうカウントするかで賛否の数はまったくちがってきます。
単純に何人で数えたとき=賛成64、反対59
「同意見」(つまりコピー)をひいたとき=賛成32、反対59
邪推すれば、反対が2倍もきたので、あわてて組織的に出させたんじゃないかと考えるところですね。
(2)行政サービスランキング
杉並区は「減税するより保育園、特養をつくれ。区民サービスが優先!」という声に対して「杉並区は、これまでも行革を進め、借金を返しながら、サービスも充実してきた。その証拠が民間シンクタンクによるランキングだ」と言ってきました。
じゃあ、その中身を見てやろうじゃないのという趣旨です。
区が出してきた最新のランキングは日経新聞社による「行政サービスランキング」全国12位と「行政革新度ランキング」3位です。「行政サービスランキング」前回は7位だったのですが、今回は12位です。あまり自慢にならないと思うんだけど。まあ見てみましょう。
まず12位より上に、東京の自治体がどれだけあるか。
1位三鷹市以下、千代田、清瀬、荒川、北、武蔵野、渋谷、台東、そして12位に杉並です。(他県では浦安、戸田、加須市が杉並より上)
新聞の見出しには「資金潤沢 東京が上位」とあり、東京は豊かなのでサービスもいいんです。あたりまえですが。
サービスの中身ですが、23区での順位は「教育」3位(師範館、土曜学校など)、「公共料金など」4位(土日開庁など)。成績が悪いのは「高齢者福祉」19位、「子育て環境」12位(認可保育園の定員数、待機児など)
高齢者福祉は、東京はどこも苦戦。特養とかがないから。その中でさらに23区中19位ですよ。惨憺たるものです。
「子育て」は杉並区のご自慢(子育て応援券や医療無料化)だったんだけど、保育でマイナスポイントです。ちなみに役所は「杉並は多様な保育需要にあわせて整備をしているが、このランキングでは認可しか評価されないので努力が反映していない」といっていますが、「認可しか評価しない」のはあたりまえでしょう。行政のランキングなんだから。
それにしても、土日開庁や少人数学級(師範館教員採用)、それから、図書館の正月開館など、日経のランキングでいい成績をとろうと狙ったのか?という政策が多いですね。それでいて、保育園や特養をつくらなかったから、結局順位が落ちちゃったわけで。
サービス向上には、なかなか客観的な評価基準がないので、それをいいことに区は「向上した」と言い張っているわけですが、中身はこんなものだということがわかりました。
3.保育について
いま認可を落ちた人が800人いるのですが、その人たちはどこにいくの?ということで質問しました。
役所の計算だと、認可の残り(空きや辞退)100人、認証200人、区立保育室300人、幼稚園の預かり保育70人、子供園18人、保育ママ10人などで700はOKというのですが、それはちょっとユルいなあと思いました。
認可、認証、保育室もこれほどはあかないと思いますし、あと幼稚園の預かり保育といいますが、幼稚園は3歳からですし、それに、すでに年内に入園者は決まっているのであって、いま認可を落ちた人が「私立幼稚園にいこう」と思っても入れない可能性も高い。区は「幼稚園は空きがあるので」といいますが…?
それと子供園。下高井戸と堀ノ内で3歳児を初めて募集しました。各18名のうち長時間枠は半分の9名。つまり2園で18名の定員ですが、応募が7名しかなかったとききました。
それで「どのくらい応募がありましたか」と質問すると、
「半数程度です」
「人数は?」
「辞退とかがあったので…半数程度、です」と結局人数は出てこず。まあ否定されないので7名ということでいいでしょう(実はもっと少ないのか?)。
なんで7名しかいないのかというと、「認可のすべりどめじゃなく、子供園を選んできてほしい」なんてタカビーなことを言って「子供園にうかった人は、あとで認可園に受かっても辞退してもらいます」という一項が入っていたんですね。そりゃあ、みんな認可に行きたいに決まっているでしょ。
「前にものべたが、保育園の入園希望者は去年突然増えたのではなく、3年ほど前からぐぐっと伸びてきた。ところが認可を増やさないという方針のもと、保育を軽視してきたことのツケがまわってきた。認証でいいという場当たり的なとりくみが、今日の危機を招いた。このところ「正の遺産をのこす」という言葉がちょくちょく出てくるが、これこそ山田区政の「負の遺産」である」と指摘して終わりました。
ちなみに「正の遺産」というヘンな言葉は、減税自治体構想の中で、行政や与党がいうようになった言葉。遺産っていえばふつうプラスの場合ですよね。
4.地域区民センターの民間委託について
昨年、委託事業者の経営不調から賃金不払い事件を起こした「セシオン杉並」などで、またトラブル。
賃金の一部が払われない状態が続いている(雇用保険料を間違えて計算していたことと、出勤の管理が携帯のQRコードなのですが、それがうまくいかず間違って計算されていた)ので、受付の人たちが文句を言いました。そしたら、2月末の振込でいちおう解決したのですが、と、思ったら、今度は残業代が払われないという問題が…。
このことを追及したのですが、役所はなんと開き直って
「想定を超える大量の年休の請求があって、計算がまにあわなかったもの」などというんです。まるで職員の人たちのほうが悪いみたいじゃない。どんな状況であろうと給与計算がまにあわず、給与が一部にせよ支払われないなんて、まともな企業ではありえないでしょ!(ちなみに年休の問題も、くりこしを認めるとか認めないとか、企業側が文句を言ったため)
というわけで、今回はブチッとキレました。
5.福祉事務所の非常勤職員について
雇用も生活も厳しく、特に福祉事務所は多忙を極めています。今回はそのなかでも非常勤の人たちについて質問しました。しかし、その前に「選ばなければ仕事はある」という行政の発言をとりあげました。
区役所のエライ人は職探しなどしたことがないんですね。そして、働きたくても仕事が見つからないつらさ、ハローワークの実状など、何もご存じないし知ろうともしない。怒りを通り越して呆れてしまうのです。
6.和田中民間人校長、夜スペ、地域本部について
もうすぐ判決を迎える和田中夜スペ裁判。地域本部の副本部長に対して行われた証人尋問を資料として、質問しました。夜スペを担当していた塾、サピックスが学校内でテキストを販売。新しく交代した東進ハイスクールは学校内に勝手にネット回線を敷設。公立学校にあるまじき事態になっています。
