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山田宏杉並区長の退職に際して
5月31日、杉並区長を任期途中で辞職をするという山田宏氏の申し出が杉並区議会で審議され、賛成多数により同意されました。杉並わくわく会議・松尾ゆりは、この辞任に歓迎する立場から以下の声明を発表します。なお、松尾ゆりはこの声明にもとづき、杉並区議会で賛成意見を述べました。

(1)

 2010年4月に山田宏杉並区長を党首とする新党の設立が発表され、区民の皆さんからは、「区長の仕事はできるのか」「区長を辞任すべき」といった声がとどけられました。また、新党の活動に熱中している政治家に、区長としての高額の給与を払い続けることは、区民感情として納得できないのが当然のことです。こうした声を受けて、私、松尾ゆりと「杉並わくわく会議」は5月6日付けで区長に対し要請書を提出しました。

 その内容は、新党の党首として奔走しながら区長の重責を担うことは不可能であり、辞職を求めるというものです。今般の区長の辞任表明は、私たちのこの要請に沿ったものと受け止め、辞任を歓迎いたします。

(2)

 山田宏杉並区長区長の任期は現在3期目の途中であり、国政に転出するなら、任期を全うしてからとの意見もあります。これもしごくまっとうな意見です。

 しかし、振り返ってみれば、この11年間、山田氏は常に、全国での知名度アップに焦点をあて、マスコミへの露出を意識した政策を打ち出してきたのであって、杉並区民の生活や福祉は二の次であったと言わざるをえません。

 区政を途中で放り出すのはよくないという方の気持ちは分かりますが、区政は最初から放り出されていたのであり、杉並区は山田氏が国政に返り咲くための踏み台にされるのではという区民の危惧は、こうなると、やはり当たっていたということになります。

 山田氏の新党は、地方の首長経験者の党というのが看板ですが、基本政策を検討すると、それらしいところが全くうかがわれません。地域の政治をやっていた者にしかわからない、市民の実際の生活、経済や雇用面での苦境、福祉の不十分さ、これらを国政で解決したいというのならまだわかりますが、地域住民の最も切実な、これらのことはまったく触れられていません。

 これを見ても、山田氏にとって、地方自治体の長という仕事はどういうものだったのかがよくわかります。

 杉並区民と杉並区政に興味も愛着もない区長には、事情のいかんに関わらず、さっさと去っていただくことが区民のためだと考えます。

(3)

 さて、山田宏杉並区政がいま、まさに終わろうとしていますが、杉並区民にとって、この区政はよい区政といえるものではありませんでした。

 全国的に恥をさらした「新しい教科書をつくる会」の教科書採択はその代表例ですが、区長個人の思想的な好みを中立であるべき公教育に持ち込んだこと、そのために、教育委員会の人事にまでも大きく介入をしました。

 耳目をひきつけるいくつもの政策を打ち上げましたが、それらが、しらばくたつとやすやすと手のひらを返したように、撤回されました。最初の区長選での公約、「杉並病の解決」を反故にして、多くの被害者、犠牲者を出したことは、公約違反の最たるものとして、これまでにも私は指摘してきました。

 杉並区の世論を二分して大問題になった「レジ袋税」は、結局実施されないままに、条例が廃止されました。全国的にも報道されて注目された「住基ネット」不参加は、2期目の選挙が終わったとたん、反故にされて、原則接続に180度転換しました。このように、定見のない、すぐに意見が変わる山田区長に、区民は振り回されてきました。

 「財政再建」の名のもとに行われた行革を山田区長は自慢しますが、杉並区職員1000人削減のために、どれだけ区民サービスが低下したか、職員が疲弊したか、ここで語る暇はありませんが、決して誇れるものではありません。しかも、財政の健全化は区長の手腕ではなく、むしろ景気回復の恩恵によって成し遂げられたということも、この間指摘をしてきました。

(4)

 この11年間を、このように振り返るとき、「山田さんご苦労さま」と慰労する気持にはとうていなれません。ご苦労様だったのは、区長の悪政のもとにつらい思いをし、また、ふりまわされてきた杉並区民と杉並区の職員です。

 意外な形ではありましたが、山田区政がやっと終わります。このことを杉並区民、杉並区職員の皆さんとともに、まずは素直に喜びたいと思います。

 次の区長がどんな方になるか判りませんが、山田区政を受け継ぐことなく、負の歴史はここで終わりにして、新しい杉並区の出発にしたいと思います。