松尾ゆりは2月15日の杉並区議会本会議で田中区長に対し、雇用と地域経済、行政改革と民営化、保育園、教員の処分について一般質問しました。以下その原稿を掲載します。これは発言原稿で実際の発言とは細かな点では違いがあることをご了承下さい。
▼松尾ゆりの一般質問 目次
1.雇用対策と地域経済について
2.行政改革と民間委託について ≫
3.保育について ≫
4.区立中教員の処分について ≫

民主党政権はますます混迷を深めています。一昨年「国民生活が第一」の言葉に希望を託した国民は裏切られ、自公政権と同様、あるいはそれ以上の改革政治が大多数の国民を苦しめています。
とりわけ雇用問題は、社会に大きな影をなげかけています。失業率は5%前後で高止まりし、若年失業率は約10%、12月の大卒の内定率が7割を切るなど、就職難は超氷河期と言われています。若者が社会に出る最初のところで、ドアが閉じてしまうような状態では、日本はお先真っ暗ではないかと思います。
雇用問題や景気対策は基本的には国の責任であり、国民生活からおよそ遊離した議論ばかりしている国会と政府を変えないことにはどうしようもありませんが、しかし、住民に身近な地方自治体である杉並区は、区民の苦境に対して何ができるかを考えていくべきではないでしょうか。
そこで、第一に雇用問題と地域経済について質問します。

杉並区は都心に通勤するサラリーマンの街といわれます。事実働いている人の約3分の2は区外へと流出しています。一方、大企業はほとんどなく、2万数千の事業所が立地する中小企業の街でもあります。
しかし、これまで、区は雇用問題にも、中小企業対策にも、残念ながら大変消極的だったと言わなくてはなりません。
何度か指摘してきたように、区の産業政策の根幹であるはずの「産業振興計画」は5年前に予定されていたローリングがストップしたまま、方向性すら見えません。はっきり言って区は産業政策にまじめに取り組んでいないというか放棄しているといってもいい状態です。
しかし、雇用問題ひとつとっても、区内の中小企業の活性化なくしては不可能です。区は心をいれかえて産業政策に取り組む必要があります。これは区政の重大な欠落であり、課題です。この認識にもとづき、質問します。

第一にまず現状把握です。このかん、区内の事業所数はどのように変化してきたでしょうか。
全体の数と商業、工業、サービス業ではどのような変化があったか、また、区はそのことをどう評価しているかをうかがいます。
以前いただいた資料によれば、製造業の激減が目につきます。そこで製造業に注目して質問します。
「産業振興計画」の指標には「製造業800事業所の維持」がありますが、事業所・企業統計によればすでに3年前に600社を割り込んでいます。工業統計による調査では区内製造業は325ヶ所となっており、風前の灯です。
しかも、このうち実際に区内で工場の操業を行っている会社がいくつあるのかはわかりません。先日担当課にもお聞きしましたが、把握しておられないとのことです。そもそも数すらもつかんでいないのでは、対策の立てようがないのはあたりまえのことではないでしょうか。
そこで次に伺いますが、ここまで製造業が激減してしまった理由は何だとお考えでしょうか。また区としては何か対策を考えてこられたのでしょうか。ご所見を伺います。

この質問をするために、私は区内製造業の経営者の方に、ご意見をきいてまわりました。
皆さんが口をそろえておっしゃるのは「杉並区は区内に製造業がなくていいと思っているんじゃないか」あるいはもっと厳しく「工場は邪魔だから出て行けということなんじゃないの」とおっしゃる方もあります。杉並の製造業はこのままだと絶滅します。
個々の会社は続けようと思えば他の地域へ移転をしても操業を続けられるかもしれません。しかし、区のまちづくりはそれでいいのでしょうか。多様な事業所があって街の中で相互に連携しあって活動していてこそ生き生きとした杉並区になるのであって、製造業はいらないという街はどこかいびつな偏った構造になってしまいます。
工場の振動や騒音は、たしかに住居にとっては迷惑なものです。しかし、本来働くことと家庭での生活とは隣り合うところで行われ、折り合いをつけてきたのが、私たち人間の暮らしです。いま、職場と家庭が全く分離してしまったことから起きている様々な問題はここで言うまでもないことです。
少し穿った見方をすれば、工場があることによって、宅地としての価値が下がる。つまり大規模な土地を取り引きする地主さんや投資家、デベロッパーにとっての利益が優先され、ものづくり企業の現場が区外へと追いやられてきた区政の歴史だったともいうことができます。
製造業を排除する街づくりが健全とは思えません。
区長は「住宅都市」としての質向上を掲げておられますが、住宅都市であっても、中小商工業が活発な街こそ健全です。バランスよく共存できる街に転換する必要があります。

次に、雇用対策という角度から見た中小企業対策を伺います。
まず、区の雇用対策事業について。どのようなことを実施しているか。実施件数や実績は。また、区としての評価、課題はどのように認識しているか伺います。
国は、特に就労が厳しい若年層や中高年などを対象に、トライアル雇用などの事業を実施していますが、これらの活用に関して、区はどのように考えているでしょうか。
これらの制度の活用状況を新宿のハローワークに問い合わせてみましたが、管内に杉並のほか新宿、中野と3区あり、区ごとの数字はすぐにはわからないとのことでした。しかし、行政側から問い合わせればあるいは調べてもらえるのではないかと思います。区内企業の制度利用状況や逆に区民の利用状況を把握し、課題をみつけて区としての支援を行うなど、制度が活用されるよう区としても努めるべきではないかと考えますが見解をうかがいます。

区内中小企業と求職者の出会いの場としての面接会は行われているでしょうか。必ずしも杉並区内だけで完結する必要はないと思われます。ハローワークや管内の他区との連携で、人材が集まりにくい中小企業と求職者の双方を支援することができるのではないかと考えます。
最近は学生が職業体験を積む場としてのインターンシップが活用されています。先日、区の産業団体にインターンシップについてのご意見を伺ったところ、中小企業にとっては非常に負担が大きいというお話をうかがいました。少ない社員の中から、学生の世話をする人が、その期間完全に手がとられてしまい困るということでした。インターンシップを受け入れてくれる企業に区が助成することで、負担を軽くし、もっと積極的になってもらうことができるかもしれませんが、そうしたことは考えられないでしょうか。
また、経営者の方とお話ししたときに、技能の伝承や業務の拡大に、若い人を雇っていきたいのは山々だが、最初の1、2年は仕事を覚える期間で、あまり使い物にならない。その期間の給与を払うのは負担が大きいという話もありました。たしかに大企業であれば余裕があっても、中小企業では厳しいでしょう。しかし、雇用に結びつけていくためにも、区が助成して後押しするようなことも考えていいと思います。
このように、意欲ある中小企業が職を求める人と出会うためのさまざまな助成を区は行うべきと考えますが、いかがか、見解をうかがいます。

さらに、若い人に中小企業を知ってもらうことも大事です。私も地元の人間ですが、実は、今回調査して初めて、意外なところに町工場があったり、小さな会社でも全国に製品を納入している会社だったりということがわかりました。大変不勉強だったと思いましたが、私だけでなく、それぐらい地域の中小企業が住民に知られずていないということです。
まして、仕事を探す若い人にとっては、どうしても名前の売れた大企業ばかりが目についてミスマッチがおきています。地域の中小企業の活躍を私たち区民が知る場がもっと必要ではないでしょうか。かつて区は「産業フェア」「産業まつり」といったイベントをやっていましたが、数年前から中止されています。同じイベントをやれということではありませんが、すぎなみ学倶楽部や郷土博物館とも連携して、区内の産業を紹介するイベントなどの企画は、比較的容易にできる中小企業支援ではないでしょうか。見解を伺います。
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