Google検索
再開発のための「杉並区新10年プラン」

再開発のための「杉並区新10年プラン」

 杉並区は田中区長のもとで一昨年から新しい「基本構想」「総合計画・実行計画」を検討してきました。昨年末にはこれらの案が公開されましたが、そこから読みとれるのは、「行革でお金を生み出し、再開発事業へ投資」という区政の姿です。

【1】まちづくり

 計画では、荻窪駅周辺の再開発が重点とされています。また西荻の都市計画道路や外環道にも積極的です。
 その理由は「周辺地域(中野や吉祥寺など)に比べ杉並区が相対的に埋没していく懸念」と述べられていますが、私たち区民はそんな風に感じているでしょうか。
 繁華街とは違った杉並の落ち着いた環境、流行の店舗や大型店は少ないけれど、近所のなじみのお店で世間話をしながら買い物ができる庶民的なまちに愛着を感じている方が多いのではないでしょうか。
 商店街振興を考える上でも、新宿や吉祥寺と競うのでなく、杉並の良さを伸ばしていく方がよいはずです。

【2】福祉

介護保険が始まって10年以上になりますが、使えるサービスは次々と制限されてきました。高齢者福祉は介護保険だけでは足りません。保険以外の区が行う介護サービスは全く不十分です。
 計画では、特養ホームの増設などが確かに盛り込まれてはいますが、建設助成だけでなく、運営面での補助がないと施設の質は保てません(上記コラム参照)。
 障害者福祉の分野でも高齢化は深刻な問題です。また、福祉作業所も不足しています。住むところ、働くところ、どちらの運営も事業者は大変な思いをしています。区の補助や対策は遅れています。
 リーマンショック以来、貧困問題が大きくクローズアップされましたが、計画では一切触れられておらず、区が深刻にうけとめていないとわかります。

【3】前区長時代と変わらない行革・民営化

 前区長時代に職員を1000人削減したことは、区民サービスの低下を招きました。区民に直接関わる仕事は民間委託が進められ、区民の悩みを職員が直接知る機会が少なくなりました。適正な人数とは、減らすことばかりではないはずです。
 今回の計画では3年間で200人の職員削減を目標とし、前区長時代以上に厳しい削減となります。保育園・学童クラブや図書館の民営化が心配です。
 保育園、学童の保育料はじめ、区民の手数料・利用料の値上げも計画されています。
 しかもそれは、毎年の「残ったお金の半額以上」を区が積立するため。そのお金がまちを破壊する再開発につぎこまれるのではむくわれません。

【4】旧態依然の区政

 区長交代で、杉並区が大きく変わるのではという期待を抱かせたのもつかのま、今回の計画では旧態依然の区政の姿がはっきりしました。
 杉並区政は国や都に従順で、他区のようすを気にして新しい事業になかなか踏み出さないと、以前から言われてきました。特に福祉では国が削減している今こそ、区政が責任もって進めてほしいと思いますが、体質が変わらないのはとても残念です。
 杉並区民は活発な市民運動が、先進的な福祉サービスや環境保護などに取り組んできました。今後も住民自治の力で区政を動かし、変えていきたいものです。

【関連】
  わくわくレポート141号≫
  「杉並区基本構想」に意見書を提出≫