今度スタートした「師範館」って何?
杉並区が教師養成塾「師範館」を設立したことが報道されています。この「師範館」にはいくつかの疑問があります。
・師範館は任意団体。区の機関であれば設置条例が必要ですが、任意団体なので区議会の審議を経ていません。それなのに、区が土地・建物・職員・費用(今年度2800万円)を全面的に提供しています。安易に税金を使っていいのでしょうか?
・卒業した人は区の教員として採用する、がうたい文句ですが、区の独自採用となるためその後の人件費は全額区負担(これまでの区立の先生は国と都の費用で雇用)。しかも一度雇い入れた人は定年まで働くことになります。1年目は25人でも、50人、100人となれば莫大な費用になるのでは?
・「師範館」は「戦前の教育をいかす」「戦後の教育を再点検する」ことを掲げていますが、現在の教育行政は、戦前の軍国主義教育=教育勅語を否定して定められた教育基本法にもとづいています。教育基本法を否定することは、法令違反では?
・そもそも「師範」という言葉は教育勅語時代の教師の呼称であり、現在は使われないはずです。あえてこの言葉をかかげる意図は?
実は「師範館」は杉並区のオリジナルではなく、「師範塾」(師範館の構想当初の名称)という団体がもともと存在しているのです。NPO法人として活動しているこの団体の副理事長はあの「つくる会」前副代表の高橋史朗氏であり、さらに理事には「松下政経塾」の出身者が連なっているという陣容です。「杉並区の子どもたちにいい先生を」という保護者の思いにつけこんで、先生志望の若い人たちにどんな教育をしようとしているのか、先行きも心配です。
住基ネット訴訟で杉並区が控訴
住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)接続問題で、杉並区が国と都を訴えていた訴訟について、東京地裁は24日賠償請求を棄却しました。これに対し、杉並区はこりずに控訴しています。
杉並区は住基ネット発足当初、ネット接続を拒否しました。当時、山田区長がテレビのニュース番組などで、はなばなしく「不参加」をぶちあげ、共感した人も多かったことでしょう。しかし、その後2003年には区長は「選択制」(「将来は全面接続だが、当面不参加も認める」というもので、全面接続を前提としたもの)に180度転換しました。
今回の訴訟は杉並区が「選択制を条件としてネットに情報をのせてくれ」というものですから、当初区長が言っていた「不参加」どころか「入れてください」とお願いする訴訟でしたが、今回の判決は、この「選択制」を違法なものとして切り捨てました。
住基ネットによる個人情報の一元管理の危険性はいうまでもないことですが、結局のところ、選択制という妥協は通用しないことがはっきりしました。自治体として住民の利益擁護の立場にたつなら、やはり全面不参加にたちもどるべきであり、控訴は税金の無駄遣いでしかありません。
医療・介護・年金、そして税金も負担増
春、新年度が始まって、今年は負担増が目白押しです。
[医療制度改革] いよいよ審議入りしました。法案の内容は@所得の高い70歳以上の人の窓口負担を今年10月から、現行の2割から3割に引き上げる。A現行1割の70〜74歳の人も自己負担を08年度から2割に引き上げる。B現在38万床ある療養病床を15万床に減らすC70歳以上の入院時の食費などが全額自己負担に…など。
高齢者の負担増、さらに介護施設に入れない人たちを病院から追い出すことになります。
[介護保険] 「介護予防」制度が新設されましたが、今後利用限度額がかなり引き下げられ、利用が制限される人が増えていくことになります。さらに、介護保険料も全国的に引き上げとなりましたが、杉並区でも第1号被保険者(65歳以上)の保険料は基準月額3000円→4200円に引き上げられました。
[障害者福祉] サービス利用は一律自己負担1割に。
[年金] 国民年金保険料は月280円増の13860円に。
[増税] 6月から個人住民税の定率減税が半減され増税に。
元気がわく町 希望がわく政治
杉並わくわく会議 代表 松尾 ゆり tel 5930-3181
杉並わくわく会議 区政レポートNo.66 2006.4.14発行