米軍の移転に3兆円の費用負担とは
4月23日、日米防衛首脳会談で両国は、沖縄駐留の米海兵隊のグアムへの移転費用約60億ドル(7000億円)を負担することに合意しました。さらに、25日には米国防副次官が記者会見し、今回の米軍再編にかかわる日本側の負担は約3兆円になると表明。その内訳はグアム移転経費のほか、普天間基地移設のための名護市・辺野古への新基地建設費用(総額1兆円超)、厚木基地の空母艦載機部隊の岩国への移転、普天間基地の空中給油機の鹿屋基地移転、嘉手納基地の戦闘機訓練移転などに伴う米軍基地の整備費用が主なものです。
移転先の各地では、住民の反対運動がねばり強く続けられています。先日行われた市長選挙では、岩国市・沖縄市で米軍再編に反対の候補が市長に当選しました。岩国市では3月に行った住民投票でも投票した人のうち87%が米軍空母艦載機部隊の岩国移転に反対という結果が出ています。
「沖縄の負担軽減のためにやむを得ない」というのが政府・与党の理屈ですが、グアム移転で海兵隊の人数は減るものの、それは半数程度で、残りは相変わらず沖縄には駐留し続けるのです。そもそも今回の再編は米軍の世界的規模でも再配置として行われるもの。在日米軍をめぐる再編も、その内容は自衛隊と任務を分担し、あるいは自衛隊を指揮下において、日本を在日米軍の出先にしようとするものでもあります。
連休中にも日米両政府は最終報告のとりまとめをしようとしていますが、国の主権に関わる重大問題なのに国会ではろくに議論もされていません。
私たちは納税者として、この「途方もない」負担をのむことはできません。ただでさえ、財政難だといって、医療・福祉の負担が増え給付が減っている今日、なぜよその国の軍隊のための経費を国民が負担しなくてはならないのでしょう。
政府は海兵隊移転費用の財政支出のための特別法を提案する予定だそうですが、私たちは、地域から声を上げて、反対していきたいと思います。
憲法とナショナリズム
4月14日セシオン杉並の姜尚中さんの講演会「満州国の亡霊」は大入り満員、立ち見でした。
姜さんの講演は10年近く前に聴いたことがあります。当時の話と比べて、おおっと思ったのは「ナショナリズム」についての内容が非常に深められたことです。前のときは単に「日本で進行するナショナリズムの肥大化に警戒しなければならない」といったような内容だったと記憶していますが、今回の話では日韓の比較やアルジェリアの例をひいて、日本のナショナリズムを「従属的なナショナリズム」であると断じておられました。アメリカへの従属という枠の中で、むしろそれによりそう形で歪んだナショナリズムを発散させようとする、醜悪な政治家、「つくる会」のような人々。彼らのような主張が生まれ、成長してきたこの60年は長い長い「逆コース」だったのではないかという投げかけに私たちは何と答えたらいいのでしょうか。
さて、憲法記念日を迎えるこの時期、この姜さんの話をかみしめて考えなくてはなりません。
憲法改正の動きが急ですが、9条改正=自衛軍の明記とは、日本が自立する道ではなく、いっそう深く日米安保という名の従属に組み込まれていく道です。「戦争できる国」をかつて小沢一郎氏は「普通の国」と呼びましたが、実は、それは「普通の国」どころか、「自ら植民地たらんとする国」だったのです。私たちの政府のとっている行動が、軍事大国アメリカへの従属を徹底し、そのことによってアジアをはじめとする他国を威圧したいという歪んだ「従属的なナショナリズム」の動きであることを、ほんとうに情けなく恥ずかしく思います。
元気がわく町 希望がわく政治
杉並わくわく会議 代表 松尾 ゆり tel 5930-3181
杉並わくわく会議 区政レポートNo.67 2006.4.28発行