小泉政権の外交は、アメリカへの追随姿勢がきわだち、米軍基地再編のための3兆円負担が批判を浴びました。イラクへの自衛隊派遣は国民の強い反対にあいましたが、航空自衛隊は今もってイラクで展開しています。それどころか、米軍などへの物資輸送を主任務としてイラクでの業務を拡大しています。さらに、いちいち国会で審議しなくても、世界のどこへでも自衛隊をすぐに派遣できるようにと「恒久派遣法」の検討も予定されいます。
また、米軍基地再編は、これから実施段階に移っていきます。沖縄の基地建設など、地元の反対の声も強い中で、米軍と自衛隊の連携を強める再編を進めていくのかも問題です。このように軍事力を前面に出す政策は長期的に見て日本の国益にも反することです。
通常国会での教育基本法改正案審議は「愛国心」を盛り込むかどうかに注目が集まりましたが、教育基本法改正をめぐっては、他にもさまざまな問題があります。
まず「義務教育」の規定。今の教育基本法には義務教育を「9年」と明確に規定してありますが、与党・民主党の両改正案ではそれが削除されました。
麻生太郎氏は「義務教育前倒し」を総裁選の政策にかかげましたが、彼の意見は「一般人に難しいことを教えても役に立たないから義務教育は小学校まで。小学校を出たら職業教育に専念すればいい。どうしても9年というなら幼児と小学生」ということです。今でもすでに中身が薄くなっている公教育を本格的に「カンタンにしちゃおう」ということです。教育基本法改正案の「9年」の削除にもこういうメッセージがあるのだと思います。
さらに「教育行政」の項目では、政治・宗教・行政などからの「不当な支配に屈」しないとした規定に、他の法律や、国・地方自治体などの制約を加えています。また、改正案では「男女共学」の項目も削られています。
教育を改善しなくてはいけないという問題意識はひろく私たちの中にもありますが、この改正案で教育基本法を改正しても、ますます問題が深刻化するように思われます。