松尾ゆり

わくわくレポート102号 2008年6月

 6月14日から27日まで区議会が開催されています。杉並わくわく会議・松尾ゆりの一般質問からご紹介いたします。

杉並区議会6月議会開催中です
介護保険・和田中など質問しました


●介護保険への満足度が急低下!

 区の行った「高齢者実態調査」「介護保険に関する調査」をみると、介護保険への満足度が急激に下がった。前回2004年の調査では42%の人が「満足」だったのに対し「不満」の人は15%。ところが、今回は満足が30%、「不満」は25%と、ぐっと接近。保険料が高い、負担が大きいという声が多い。サービスが足りない、使えないという声が多い。特に訪問介護について「制度が変わってから利用制限が厳しくなった」「家族がいるので使えないと言われた」「要支援だからいっしょに作業をしろといわれても、ムリ」など。介護保険制度は、破綻に瀕しています。区は国に対し、介護保険制度の抜本的見直しを訴えるべきです。

●「平等はまちがい」という区長

 区長は予算委員会の答弁で「自由と平等は相反する価値です(中略)人間を無理やり、不平等に生まれてきているものを平等にしようなんていうことをやれば、間違いが起きます」と発言。人間は不平等であたりまえ、平等を求めるのは間違い、と言っているのでしょうか。

●介護保険料引き下げを要望する

 介護保険制度見直しにあたり、介護保険料の引き上げを行わないこと。また、特に低所得者に対しては引き下げること。サービス提供をもっと柔軟に行うこと。杉並区独自の介護サービスを充実させることを要望します。

●まちづくり条例見直し

 杉並区は現在まちづくり条例の見直しを行っています。浜田山三井グラウンド開発、阿佐谷住宅建て替えなど、ひとつ間違えれば、大きな紛争に繋がり、地域に禍根を残すことはいうまでもありません。また、一方、JR阿佐ヶ谷駅南口の銀行跡地のマンション問題にみられるように、商店街振興やまちづくりを無視した開発もあります。ところが、まちづくり条例の見直しにあたって、委員の公募も行われず、区が住民参画に消極的なのは問題です。

●和田中夜間塾に「住民監査請求」

 先日区民から和田中夜間塾について「区民の財産である公立学校の利用を許可したこと、また、その利用料が免除になっていることは不当」という監査請求が出されましたが却下されました。監査結果では夜間塾を「営利事業として行われていると見ることが妥当」と認めましたが、地域本部という非営利団体の主催だから、使用許可は正当と認定しました。しかし地域本部には様々な問題があります。

●年間2000万円が出入り

 和田中の「地域本部」は他校の「学校支援本部」と違って、大きな事業をいろいろやっています。「ドテラ」(土曜寺子屋)、英検コース、夜間塾などの参加費は、合計年間1500万円にものぼると推測されます。また、区や国の補助金の上に、寄付金もあり、合計2000~3000万円のお金が出入りしていると思われます。ところが「地域本部」は監査もおいていないし、決算報告も出していません。これでは夜間塾などの事業を担うのは無理だし、学校支援本部の事業としては適切でないと考えます。夜間塾の事業はいったん中止し、本当に塾の手を借りなければいけないのか、どうなのかを、一からきちんと議論してみるべきです。


ゆり発 
外環道「地域PI」とは!?

 オリンピック誘致に邁進する東京都・石原知事。実は公共工事を進めるための理由づけで、築地市場の豊洲移転も大きな問題になっています。杉並では、外郭環状道の問題がクローズアップされてきました。外環道は善福寺公園や井草八幡のすぐそばを通り、インターチェンジも建設され環境への影響が甚大なため、杉並区では区長名で質問書を出していますが、解決策はいまだ示されません。

 また、外環道本線は地下50メートルに建設されるので地上部には影響が少ないと説明されてきましたが、ここへきて、同じ路線の地上部(「外環の2」)も同時に建設されることがわかりました。あまりにも問題が大きすぎる外環道ですが、都と国は「地域PI」という会合を形だけ開いて地域の意見はきいたことにしてしまいたいようです。貴重な緑と水を守るため、区民のみなさんが注目してくださるようお願いします。