松尾ゆり

わくわくレポート105号 2008年8月

地域経済と暮らしを守るため
行動する全国地方議員交流会

 7月30・31日さいたま市で「第6回全国地方議員交流会」が開催され、松尾ゆりも参加しました。超党派の地方議員(都道府県・市区町村)が全国から集まって、研修と交流を続けて今年で6年目です。

 会の中で各地の議員の発表から伺えたのは地方の厳しい財政状況でした。いま国も地方も「財政再建」が至上命題とされ、財政の厳しい地域は、自治体と住民が悪いかのように言われます。しかし、財政危機を招いた真の原因はどこにあるのでしょう。かつて「日米構造協議」の中でアメリカから630兆円もの莫大な公共投資を行うことを要求された日本政府が地方にむだな公共事業を押しつけていった経緯がありました。こうした背景をぬきに「地方行革」だけを声高に叫ぶ(橋下大阪府知事のように)のは筋違いです。

 折しも同じ31日には全国の酪農家が東京に集まってデモを敢行しました。地域経済と暮らしを守るためには行動しなくてはなりません。閉会後の8月1日参加者有志が厚労省と農水省に申し入れ行動をしました。


「レジ袋税」&「住基ネット」
山田区長の2大政策が撤回された

 山田区長といえば「レジ袋税」「住基ネット」というぐらい、全国的にとりあげられて区長を有名にした2つの政策。しかし、どちらも、区長自身の政策転換によって、過去のものになりました。

●「レジ袋税」を廃止

 6月議会では「環境目的税条例」(レジ袋税)を廃止することが決まりました(松尾ゆりは廃止に賛成しました)。レジ袋税は区民の大きな反対の声を押し切って作られたものの、結局実施されることはありませんでした。

●「住基ネット」全面接続へ

 一方の「住基ネット」問題、こちらは区長2回目の選挙直前、全国ネットのニュース番組などに出まくって「住基ネットは危険、杉並区は不参加」と華々しく打ち上げたものです。そのおかげで、区長は選挙に大勝しました。しかし当選直後の2003年6月、区長は「選択制での参加」(横浜方式)に180度方針転換し、翌年裁判に訴えました。訴訟は区の予算から5000万円余りを費やし4年間もかかった末に区の敗訴で終わりました。判決は住基ネットへの参加を命じるものではないにも関わらず、区は裁判に負けたことを理由に「住基ネット全面接続」方針を発表しました。

●選挙めあてのパフォーマンス

 「レジ袋税」も「住基ネット」も発案は華々しく、撤退はコソコソと行われたので、2つの政策の末路をご存じない方も多いでしょう。区民の前に自らの政策転換を堂々と説明できない区長、信念からではなく選挙めあてのパフォーマンスにすぎなかったと言われても反論できません。


ゆり発
わが家のようなグループホーム

 最近、区内外の認知症グループホーム3カ所をあいついで見学しました。
 A施設は株式会社経営の施設。人員不足で職員さんはとても大変そう。たまたまある利用者さんが頻繁に外出を求め、その方の応対のために1人の職員がかかりきりで、他の方はTVの前に座っていただき、もう1人の職員さんが見守りながら掃除などの仕事をこなしていくというハードな状態でした。B施設は社会福祉法人の運営。利用者さんがボランティアさんと思い思いに手芸などをしている姿も見え、少し余裕が感じられます。3カ所目は区内の「グループホーム永福」。自分の家のような居間に利用者さんが集い、くつろいでいる様子は「施設」というより「わが家」の雰囲気。職員さんが数人おられ、余裕のあるケアができるようです。それでも職員が足りなくて苦労しているそうです。

 どの施設も、職員の皆さんは心をこめてケアなさっていました。それでも、ホームの雰囲気に違いが出てくるのは、労働条件の違い、そしてその背景にある公的な補助の違いが大きいように思えました。何より問題なのは、どの施設も入所希望者が長蛇の列をなしていること。質の高い施設の拡充が求められていると思いました。