松尾ゆり

わくわくレポート164号 2014年8月

沖縄県知事選 オール沖縄で翁長候補勝利を

 6月29日に行われた区議会議員補欠選挙の結果、松尾ゆりは次点となりました。落選とはなりましたが、1万3050人の皆様の大きなご支持をいただきました(右表参照)。 来年4月には杉並区議会議員選挙が予定されています。今回の結果を力に、議席回復をめざして再スタートしてまいります。

 昨年の秘密保護法制定につづき、今年は武器輸出3原則の見直し、集団的自衛権容認の閣議決定が行われました。沖縄の辺野古新基地建設やオスプレイの本土配備など、安倍政権はどこまでもアメリカの戦争に協力していく姿勢です。こんな対米従属の政府はやめさせなければ。

 今後も地域から皆様とともに頑張って参ります。

区長選:田中区長への支持は8人に1人

 区長選挙では、現職の田中良さんが再選されました(右表参照)。所属の民主党の他、自民、公明などの支援も受けての与野党「相乗り」選挙でしたが、他候補の得票合計の方が上回りました。投票率は3割に満たず、田中区長支持票は有権者の12.5%(8人に1人)にすぎません。区長はこのことを肝に銘じて、強引な区政運営を改めてほしいと思います。

 松尾ゆりは区長選挙と同時に行われた区議補欠選挙の中で、「区政を変える」ことを訴えました。地域のみなさんとお話しする中で、現在の区政に対する失望、不満の声が強いことを感じてきたからです。

区民生活を支えない区政

 特に、施設再編計画で児童館・科学館廃止などが、区民の意見を聞かずに一方的に決定されたことに対する不信感は強く、また、商店街では「区は大規模開発や大型公共施設に熱心だが、足元の商店街には関心を払っていない」との声も多く聞かれました

 増税や物価上昇で区民生活は厳しくなっています。「年金が減額され、消費税は上がり、生活が厳しい。年金をなんとかして」「消費税はまた上がるのでしょう?それなのに法人減税をするなんて」「若い人の安定した仕事がない問題はなんとかできないのか」など生活に直結する深刻な問題ばかりです。

負担増に区政が追い打ち

 区政は、こうした厳しい区民生活を助けるどころか、逆に追い打ちをかけるように施設利用料や学童クラブの利用料、駐輪場使用料などの値上げを予定しています。

杉並区の料金こんなに値上げ!

・施設利用料(2015年1月から、登録団体の半額割引を段階的に廃止。3年間毎年引き上げ)
※体育館では2550円→7900円となるケースも! ・学童クラブ(2015年4月から月3000円→4000円に)
・駐輪場利用料(2015年1月から基本料金1900円→2100円に)
・自転車撤去料(2015年1月から3000円→5000円に)

 他方、荻窪駅前開発や、税務署用地への新しい庁舎、杉一小学校の10階建てなど、不必要な公共事業が目白押し。区民の負担を増やして、そのお金はゼネコンの利益のために使われていくのです。

「あんさんぶる荻窪」荻窪税務署との交換は見直しを

 「あんさんぶる荻窪」の税務署との交換は突然新聞記事で明らかにされました。区民はもちろん区職員の大多数も寝耳に水。こうした決め方自体がルール違反です。

①特養ホーム建設に「あんさんぶる」交換は不要

 杉並区は「特養ホームを建てるために必要」と説明しますが、特養を建てるためなら土地を買うか、借りればよく、交換の必要はありません。

 そもそも国税庁としては税務署を単独で建て替えの予定だったのですが、杉並区から「まちづくりのために必要」との理由で待ったがかかったそうです。「特養の話は全く出ていない」と担当者。「特養のために」との説明はあとづけの理屈なのです。

 「現在使用している施設との交換は珍しい」との指摘もあり、どう考えても不自然な交換。別の動機がありそうです。

②他に土地はある

 同じ荻窪の旧若杉小学校跡地(7400m2)、今後廃止になる新泉小学校(8000m2)はいずれも税務署・公務員住宅(6300m2)よりも広い土地です。しかし、区はいずれの用地にも「特養は建てない」といいきります。区有地だから、交換もなく建てられるはずなのに。不可思議です。

③築10年なのに廃止、新築するとは

 まだ築10年と新しい「あんさんぶる」の代替施設として、税務署用地には施設が丸ごと新築されます。わざわざ不必要な公共事業を作り出しているのです。

④一部機能だけでも残せないか

 現荻窪税務署の延べ床面積は2000m2、対する「あんさんぶる」は7000m2あり、余ります。区は否定的ですが、一部を区の施設として使い続けることはできないのか。特に2Fの荻窪北児童館は、園庭のない荻窪南口の保育園の大切な遊び場であり、絶対になくすことはできません。

⑤まだ、引き返せる

 あんさんぶると荻窪税務署の交換は、現在区と国との間で交渉中ですが、契約してしまったわけではありません。今ならまだ引き返せます。声をあげていきましょう。

※あんさんぶる荻窪:福祉事務所、児童館、消費者センター、環境情報館、社会福祉協議会、駐輪・駐車場などの複合施設。荻窪駅徒歩3分。
※あんさんぶる荻窪と荻窪税務署の交換とは:
荻窪駅前の複合施設「あんさんぶる荻窪」と荻窪税務署・公務員住宅の土地建物を交換するもの。

今年から来年…たくさんの区民施設が廃止に!?

◎環境情報館(あんさんぶる荻窪4F)

 あんさんぶる荻窪4F第1・2教室、環境学習室が2014年末で廃止され、移転先(リサイクルひろば高井戸)の会議室など2室は登録団体のみの利用、しかも夕方5時までとなります。

◎産業商工会館

 集会室2室に、広い和室、展示室、ホールを有する会館ですが、2015年3月で廃止・解体されます。代替施設は当面ありません。

◎ゆうゆう阿佐谷館 2015年4月移転

阿佐谷北口の阿佐ヶ谷区民事務所を改修して移転。現在地と離れたところであり「もう行けない」と利用者の声。

◎阿佐ヶ谷会議室・区民事務所

2014年末で廃止。会議室2室の代替施設はなし。

沖縄「島ぐるみ」のたたかいへ

 全国地方議員交流会のため那覇を訪れました。交流会では比屋根照夫・琉球大学名誉教授が「戦後沖縄史における『建白書』の系譜」のテーマで講演。昨年1月、沖縄県内のすべての自治体首長、議長がうちそろって上京し、オスプレイ配備、普天間基地県内移設に反対する「建白書」を政府に提出しました。これは土地収用に対する「島ぐるみ闘争」と沖縄返還時の「建議書」などにつらなる「権力への異議申し立て」「自主・自立の精神」を受け継ぐもの、と話されました。

 名護市・稲嶺進市長、沖縄のホテルチェーン「かりゆしグループ」の平良朝敬CEOの報告も行われました。「沖縄の経済は基地でもっているなどといわれるが、それは誤解。基地は今、県の経済の5%でしかない」「基地が返還された跡地は経済的に活用され、百数十倍の雇用を生み出している」「基地は経済発展の阻害要因」とのこと。米軍基地の撤去は生活の問題なのです。

 沖縄では11月の知事選にむけて仲井真弘多知事が立候補を表明しましたが、自民党地方議員らは中央に反旗を翻して翁長雄志那覇市長を推し、保守が分裂、「地殻変動」ともいわれています。沖縄に学び、また、全国から連帯していきたいと思います。

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