松尾ゆり

「PTAアピール」への賛同を 2008年4月

杉並区立和田中学校のPTA廃止方針に反対し、杉並区内のPTA会長経験者16名が呼びかけ人となり、アピールを発表しました。呼びかけ人の皆さんはアピールへの賛同を募っています。賛同できる方は、氏名・居住地(市区町村のみでけっこうです)・氏名公表可/不可 を記入して当HP宛にメールでご連絡を下さい。また、コメントも募集しております。(※受付は終了しています)

松尾ゆり

先頃、区立和田中学校校長(当時)の藤原和博氏がマスコミにむけて突如「和田中PTAを同校地域本部の一部門『現役保護者部会』とする。杉中P協(杉並区立中学校PTA協議会)からは脱退し、PTA会長はおかない」と、事実上のPTA廃止を発表しました。この発表は区内だけでなく全国のPTAに衝撃を与えると同時に、多くの疑問点も指摘されています。

そこで、私たちは、PTAの意義と役割についてあらためて考えたいと思います。

松尾ゆり

杉並区立各小中学校PTA、および小・中PTA協議会は、どの子にも等しく十分な教育を保障することをめざして活動し、大きな役割を果たしてきました。過去には、高校増設、栄養士の全校配置などの成果をあげ、また、環境を守るための高速道路建設反対運動など学校内にとどまらない活動を繰り広げてきました。

こうした活動ができたのは、PTAが学校の補助組織ではなく、会員自らが学び「人格識見の向上を図る」(杉並区教育委員会『PTAハンドブック』)自主的な社会教育団体として、発言、行動してきたからです。

活動の中で会員自身も成長し、PTAからは、町会や商店会、あるいは消費者運動、福祉団体など市民運動の中心で活躍する多くの人材を輩出してきました。杉並区の各分野でPTA活動の経験が生きています。

松尾ゆり

今回の和田中の方針には見過ごせない重大ないくつかの問題があります。

具体的には、
(1)学校から独立した組織であるPTAを、単なる学校の「お手伝い」組織に変え、発言の場をなくしてしまう
(2)PTAを保護者組織に改組することで、PTAのTである教員を排除し、PとTとの関係を分断する
(3)P協からの脱退で、PTAどうしの横の連携がなくなる という点です。これらは、どれも、PTA活動の根幹を揺るがす問題です。

そもそも、PTA廃止を校長が独断で決定したことは越権行為です。PTA総会の議決も経ずに、校長が一方的に発表したことは、PTAの民主的運営を根底から覆すものであり認められません。

松尾ゆり

杉並区は現在、和田中地域本部をモデルとした「学校支援本部」を全区立小中学校に設置することを計画していますが、もし仮に、今後他校でも和田中に追随してPTAを支援本部のなかに組み込んでしまうなら、学校内での保護者と教員の自由で対等な発言の場はなくなり、学校は上からの一方通行となって、活力を失うでしょう。私たちはそれを恐れます。

現在PTAには「役員のなり手がない」などいろいろな問題があることも事実ですが、他方PTAに求められる役割はますます大きくなっています。

したがって、私たち区民は、区立小中学校PTAをもっと充実、発展させるべきであると考えますし、そのために努力したいと思います。

同時に、杉並区教育委員会に対しては、安易に「PTA廃止」論にのらず、自主的な社会教育活動としてのPTAを尊重し、いっそう支援すること、および、PTAについての区民の理解が深まるよう努めることを要望します。

よびかけ人
杉並区内公立PTA会長経験者16名 (書面には氏名・学校名を掲載しています)

(朝日新聞2008年4月23日付東京版記事より)
PTAの活動尊重求め声明 杉並区内の元会長ら

杉並区立和田中学校がPTA協議会を脱退、「地域本部」の一部門となる方針を打ち出したことについて、区内の中学校の元PTA会長経験者ら16人が22日、「PTAの自主的な活動を尊重して欲しい」との声明を発表した。今後、反対署名を集めた上で、区教委や同中などに提出したいという。
呼びかけ人は、いずれも区立小中学校、都立高校の元会長経験者。和田中の試みを(1)(保護者が)単なる学校の「お手伝い」となる(2)保護者と教員との関係が分断される、などと指摘。「なり手がいない」などの問題を解決しながら、区教委などの支援による活性化が必要だと訴えている。

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