松尾ゆり

わくわくレポート168号 消費税編 (2)  2015年3月

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不公平な消費税を変えたい

■昨年4月、消費税が8%になりました。新聞の調査では「アベノミクスの恩恵を感じない」と答えた人が77%。最近の世論調査でも81%の人が「景気回復実感ない」と回答しているように、納税義務者である区内の中小企業や商店街の皆さんからは「商売が続けられるだろうか」と深刻な声が聞かれます。

■日本の消費税の法律上の納税義務者は事業者です。事業者が年間の売上高から仕入高を引いた粗(あら)利(り)に税率をかけて計算した税額を税務署に納める仕組みのため、商売が赤字でも消費税はゼロになりません。中小事業者にとって本当につらい税です。

消費税の納税義務者は事業者
赤字でも年に一度納めねばならず大変

■納税している事業者の皆さんなら誰でも知っている消費税の仕組みですが、買い物をする消費者は、物価が上がったことを「自分が消費税を納めている」と錯覚しているので、「私たちが『預けている』のに滞納している」とか「益税があるんじゃない?」とお客さまから誤解されて、くやしい思いをした商店主の方も多いと思います。

でも、輸出の税率はゼロ
輸出大企業は巨額の還付金を受けています

■区内の中小事業者が四苦八苦している一方で、輸出大企業には膨大な額の還付金が支払われています。輸出の税率はゼロなので、仕入れ税額を控除すると納税額はマイナスとなり、巨額の還付金を受け取る仕組みです。(下表参照)

■トヨタや東芝は消費税を1円も納めないばかりか、巨額の還付金を受け取っています。税率が倍になれば還付金も倍近くになります。5%で3兆円、10%で6兆円、20%なら12兆円です。だから財界は消費税増税に執念を燃やしているんですね。

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