松尾ゆり
わくわくの日々

児童館 ホントのところ どうなるの?
(児童館と施設再編を考える懇談会)

●2013-12-03

 ご報告が遅くなりましたが、12月1日に開かれた標記の懇談会のようすです。児童館の利用者、ボランティア、もと利用者、議員などのさまざまな立場の方が参加して発言しました。今回の区の計画についての多くの疑問が出ましたが、なかでも、学童クラブを学校に移すことについて具体的な疑問が噴出。

 …との情報もありました。

 学童を学校に移すことは、これまでの行政の方針を180度転換することでもあります。時代に逆行しているとしかいいようがありません。

「学校にうつせば図工室、体育館などが使えるという説明もあったけど、本当?」

 この話は何人もの方が説明会で聞いていました。私も聞きました。区役所は、学童を学校にうつすメリットが説明できなくて苦しまぎれに言っているようで、実際の学校現場を考えたときに、放課後の学校で、校舎や体育館を学童クラブの子どもたちが自由に動き回るなんてありえないのに。

 学童クラブだけでなく、もちろん児童館の役割についての議論もたくさんありました。

 児童館で働く方から、不登校の子どもが児童館で救われている話(元教員の方からは「児童館から、○○さんが来てますよ、と連絡をいただいて一安心、ということもありましたよ」)

 中高生については「中高生専用の館をふやすというが、いまの児童館に来ている中学生は、小さい子のいる児童館だから、そこへ来て役割がある、ということもあるのでは」「ゆう杉に行ける活発な子は心配ない。地元の児童館の先生に会いたい子どもに応対することが役にたっている」「自分は小学校高学年のとき、児童館に行って、下級生に頼りにされることで自信をもった」

 母親クラブに参加している現役のお母さんからは「働いているママは預かってほしいことでいっぱいいっぱいだから、学校内の学童ときけば移動がないから安心と感じる。家にいるママも、学校で校庭開放してくれるならラッキー、と思ってそこで止まってしまう。スペースがとれるのか、とか質はどうなるの、までなかなか考えが及んでいないかも」との発言もありました。

 全体をとおして、「杉並区の児童館は数も多く、質もとても高い。それなのに、今回、全国レベルに引き下げようとしていると思う」との発言には、皆が「そうだよね」と共感。

 児童館で働く方からは「居場所づくり、というけど、この言葉はよくない。児童館は単なる居場所ではなく、子どもたちが委員会をつくって行事を行うなど、自立した大人に育つよう支援してきた」

 利用者からも「子どもを支援する大人たちの交流拠点。その点を区は無視している」

 たんなる施設ではなく、人と人を結ぶ児童館の役割が大事なのです。懇談会では、ここで出た質問をまとめて区に質問状を出すことと、会としてのアピールを確認しました。

 なお、この日は主に児童館についての会だったのですが、施設再編という点から、図書館やゆうゆう館、高齢者サービスなどについても意見が出ました。また、集会施設が減らされ、料金が3倍、4倍となって、区民の活動がすごくやりにくくなるという問題も出されました。