松尾ゆり
わくわくの日々

杉一小改築・複合化検討懇談会

●2015-07-28

 杉一小の建て替え懇談会を傍聴しました。この懇談会はふつうの学校の懇談会とは違い、まずタイトルに「杉並第一小学校改築・複合化検討懇談会」と複合化が入っています。 運営要綱の目的には次のように書かれています。

 「懇談会は、杉並第一小学校の老朽化に伴う改築に合わせて、杉並区立阿佐ヶ谷地域区民センターと杉並区立産業商工会館の集会関連機能を集約することを基本とし、多目的な用途に対応できる集会室及び展示機能を有する複合施設に関し」広く意見を聞くことを目的とする。 つまり最初から、「阿佐ヶ谷地域区民センターと産業商工会館を含めた複合施設」が前提となっています。

 会議では、施設再編整備計画に盛り込まれた内容が改めて説明されました。(文末に抜粋して引用)

 一昨年新聞報道では「10階建てのビルになる」と書かれ、そのことを聞くと区の職員さんは「だって駅前で容積率があるんだから使わないともったいないでしょ!」と言っておられました。地域では「何の説明もないけど、あの話はまだ生きてるわけ?」と聞かれるのが常でしたが、もちろん計画は生きていたのです。

 懇談会では全員の委員が発言して意見を述べました。複合化が前提となっている区の提案なので「複合施設になっても、子どもの教育を優先してほしい」「新しい建物になっても、今までの地域とのつながりを大切にしてほしい」などの意見が多かったのですが、そのほか以下のようにいろいろなご意見がありました。

 

 なお、委員の中から「複合化の計画はもう決まったのか。どのように決まったのか」との質問がありました。それに対する回答は「昨年3月に施設再編整備計画の中で決まった。区議会に説明した上で区の経営企画会議で決まった」との内容でした。役所は常に「もう決まったことなので」といいますが、決めたのはあくまで区役所内部の会議です。この計画もそうで、区議会に報告したとはいえ、区議会の意思として議決したものではありません

。  

 今日の会議を見ても、どうも私は疑問がぬぐえません。

  1. 複合施設・高層建築にすることによって、教育環境が悪化する。大人の立ち入りにより、子どもの安全面も不安。
  2. 区民センターと産業商工会館をなぜ統合しなければならないのかの理由が説明されていない。説明で1つだけ明らかなのは、「集会機能をスリム化する」という点だが、区民の利益には反する(きょうの説明の中でも阿佐谷区民センターは7つのセンターの中で最も稼働率がよく(8割弱)、しかも駅から至便と説明されていた)。
  3. 建物は高層化が想定されているようだが、いまだに明らかにされない。必要な床面積などデータを示して、判断を委員にゆだねるべき。高層化すれば、個々に建て替える場合よりも、より建築費がかさみ、税金の無駄づかいになる。
  4. 現状の施設配置のほうが、それぞれの利用者にとって便利なので、集約することのメリットは少ない。

以上の点から、私は現時点では複合化計画には賛同できません。

(以下、計画の概要説明抜粋)

<施設再編整備計画のあらまし>
(1)基本方針
 ・複合化・多機能化等による効率化の推進
 ・学校施設の有効活用
(2)杉並第一小学校に関する具体的な取り組み
杉並第一小学校は築後56年を経過しており、老朽化に伴う改築に合わせて、阿佐谷地域区民センターと産業商工会館の集会関連機能を集約することを基本に、地域のまちづくりの動向等も踏まえつつ、移転・複合化を図る。
 ↓
複合化にあたっては、学校の教育環境の確保を最優先に考え、
地域の活性化や区民の利便性の向上の視点などから具体化を検討
(3)略
(4)複合化の視点
阿佐ヶ谷地域区民センターと産業商工会館の類似した集会機能を効率的に集約し、
規模のスリム化、施設運営の効率化、利便性の向上を図る
 ↓
杉並第一小学校の交通至便な立地と学校敷地の容積率を有効に
活用した複合化による整備

<改築・複合化における基本的な考え方>
学校の教育環境の充実を最優先に、地域から愛され続ける施設づくりを進める
1.杉並第一小学校の改築にあたって
 (1)多様な教育に対応できる学習環境の整備
 (2)安全・安心で、快適に過ごせる学習・生活空間の整備
 (3)地域に開かれた学校づくり
 (4)災害時の地域の防災・復旧の拠点としての整備
2.新たな施設の整備にあたって
 (1)集会機能の集約による規模のスリム化、施設運営の効率化
 (2)交通至便な立地を生かした利言おう者の利便性の向上
 (3)まちづくりと連動した地域の活性化

(引用終わり)

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